「トレカをたくさん持っているけど、そろそろ整理したい」「ちょっとした副業としてオリパ販売を始めてみたい」――そんな方が増えています。
個人がオリパを販売する際、趣味のコレクション処分なら古物商許可は不要ですが、転売目的で中古カードを仕入れて販売する場合は許可が必須です。無許可営業は違法となる恐れがあります。また、許可の有無に関わらず一定の収入を超えれば確定申告が必要です。利用するサイトごとに規約が異なり、許可証の提示を求められる場合もあるため、事前に法的要件とルールを確認し、トラブルのない運営を心がけましょう。

この記事では、「オリパ販売 個人」で検索した方に向けて、個人でオリパを販売するための準備・法律・やり方・注意点をわかりやすく解説します。
個人でもオリパ販売はできる?
最近では、企業だけでなく個人でもオリパ(オリジナルパック)を作成・販売するケースが増えています。
メルカリやBASEなどのプラットフォームを活用すれば、誰でも簡単に出品ができるため、趣味と副収入を両立したい人にとって魅力的な手段です。
ただし、誰でも自由にオリパを販売できるかというと、そう単純ではありません。
オリパはランダム性を含んだ商品のため、景品表示法(景表法)や古物営業法など、いくつかの法的なポイントを押さえる必要があります。



まずは、オリパとは何か、そして個人が販売する際の基本的な法的視点について確認していきましょう。
オリパとは?個人販売の基本をおさらい
オリパとは「オリジナルパック」の略で、主にトレーディングカードをランダムに詰め合わせたパック商品を指します。中身がわからないランダム要素があることから、当たりカードが入っているかどうかの“ワクワク感”が魅力とされています。
個人でオリパを販売する場合、ただカードを詰めて売るだけでなく、次のような要素を意識する必要があります:
| チェックポイント | 説明 |
|---|---|
| 当たりカードの有無 | 「当たり」を明示している場合は景表法の対象になる可能性あり |
| 元のカードの仕入れ方法 | 古物商許可が必要な場合がある |
| 表示内容 | 内容や確率、返品可否などの表示義務が問われる場合あり |
このように、オリパ販売にはガチャ要素や中古品の取り扱いが絡むため、単純な物販とは異なる注意点があります。
個人でオリパ販売することは法律上OK?
結論から言えば、個人でもオリパ販売は可能です。ただし、以下のような法律や規制を守る必要があります:
- 景品表示法:中身の一部に高額カードが含まれている場合、虚偽や誇大な表示が禁止されており、確率表記などに注意が必要です。
- 古物営業法:中古のトレカを仕入れて再販売する場合は、原則として古物商許可が必要になります。
- 特定商取引法・消費者契約法:通信販売(ネット販売)を行う場合、返品条件や連絡先表示など一定のルールを守る必要があります。
つまり、「なんとなく余ったカードをパックにして売る」だけでは、思わぬ法律違反に触れてしまうリスクもあるということです。
このあと、オリパ販売を始めるうえで必要な準備や手続きを詳しく見ていきましょう。
オリパ販売に必要な準備と手続き
個人でオリパ販売を始めるにあたって、最初に知っておきたいのが「法的な手続き」と「必要な届け出」です。これらを怠ると、販売を開始した後にトラブルや違反となる可能性もあるため、必ず事前に確認しておきましょう。
古物商許可は必要?取得方法と注意点
中古のトレーディングカードを仕入れてオリパに組み込んで販売する場合、ほとんどのケースで「古物商許可」が必要になります。これは古物営業法に基づいた義務であり、無許可で販売した場合は罰則が科されることもあります。
以下は古物商許可に関する基本情報です:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象となる行為 | 中古のカードを仕入れて販売する行為(自分のカードを販売する場合は対象外) |
| 申請先 | 各都道府県の警察署(生活安全課) |
| 申請費用 | 約19,000円(地域により異なる) |
| 審査期間 | 通常30日〜40日程度 |
| 注意点 | 屋号やネット販売の記載、管理台帳の保管義務などもあり |
なお、自分のコレクションを「一度限りで売る」「処分するだけ」といった場合には、古物商許可は不要とされています。ただし、継続的に仕入れて利益を得ようとするなら、必ず許可を取得しておきましょう。
税金・確定申告のポイント(副業扱い・雑所得など)
個人でオリパを販売し、収益が発生した場合は、税務上の処理も必要になります。副業的に行っている場合でも、一定の収入を超えると確定申告が必要になるため、以下の点を押さえておきましょう。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 所得区分 | 基本的には「雑所得」または「事業所得」扱い |
| 確定申告が必要な基準 | 年間20万円以上の雑所得がある場合(給与所得者) |
| 経費として計上できるもの | 仕入れ代、送料、販売手数料、梱包費、通信費など |
| 開業届の提出 | 本格的に事業化するなら「個人事業主」として開業届提出も検討可 |
とくにメルカリなどを利用した場合でも、収入が大きくなれば税務署の目に留まる可能性があります。



事前に帳簿をつけておく、収支を明確にしておくなど、税務管理も意識しておきましょう。


オリパ販売のやり方とおすすめ販売プラットフォーム
オリパ販売を始めるにあたっては、単にカードをパックに詰めて出品するだけではなく、「どのように作るか」「どこで売るか」「トラブルを防ぐにはどうするか」など、実践的なポイントを押さえることが重要です。



ここでは、オリパの作り方、販売先の選び方、注意すべき点について詳しく見ていきましょう。
オリパの作り方と価格設定のコツ
オリパを作る際は、ランダム性と商品価値のバランスが重要です。買う側から見て「買ってよかった」と思える設計をすることで、リピーターや高評価レビューにつながります。
| 工程 | ポイント |
|---|---|
| カードの選定 | 高額カードを数枚入れ、残りはミドル〜ローのカードで構成する |
| 当たりの演出 | 「当たり」「超当たり」などを設定することでワクワク感を演出 |
| 数量と確率設計 | 全体数に対して当たりが何枚あるかを明記するのが望ましい |
| パックの見た目 | スリーブ+袋に入れるなど、見た目の丁寧さが信頼感につながる |
| 価格設定 | 内容の平均価値(カード単価)とプラットフォーム手数料を考慮する |
高額カードだけに頼らず、「ハズレでも最低限の満足感」があるように調整することが、長く販売を続けるうえでの鍵になります。
メルカリ・BASEなど販売先の特徴と選び方
個人がオリパ販売を行う際によく使われる販売プラットフォームには、それぞれ特徴とメリットがあります。
| プラットフォーム | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| メルカリ | 集客力が高く手軽に始められる。匿名配送も可能 | 初心者・在庫少なめの人 |
| BASE | 自分のネットショップを作れる。独自性を出しやすい | 本格的に展開したい人 |
| ヤフオク | 入札形式で販売。コレクター層にも届きやすい | レアカード中心の構成にしたい人 |
始めはメルカリなど使いやすいところからスタートし、販売数が増えてきたらBASEでオリジナルショップを作るなど、段階的に進めると無理なく成長できます。


トラブル回避のための注意点
オリパ販売では「中身が違う」「当たりが出ない」「説明と違う」といったトラブルが発生することがあります。信頼を損なうと販売継続が難しくなるため、以下の点にはとくに注意が必要です。
- 内容・当たりカード・確率は明確に記載する
- 中古カードは状態をきちんと説明する(傷・白かけなど)
- クレーム対応方針(返品不可など)を事前に記載しておく
- 評価やレビューの返信は丁寧に行う
また、ランダム要素があるとはいえ「詐欺」と捉えられるような販売は絶対に避けましょう。



誠実な運営こそが長く続ける最大のポイントです。
個人でオリパ販売を始めるメリット・デメリット
オリパ販売は、個人でも比較的少ない資金で始められるビジネスのひとつです。しかしその一方で、信頼の構築や法的な注意点など、独自のリスクも存在します。このセクションでは、個人でオリパ販売を行ううえでのメリットとデメリットを整理してみましょう。
メリット:在庫整理や副収入に活用できる
オリパ販売には、次のようなメリットがあります。
| メリット | 説明 |
|---|---|
| トレカの在庫整理に使える | 使わなくなったカードをまとめて有効活用できる |
| 少額から始められる | 数千円〜の初期投資でスタートできるためリスクが少ない |
| 趣味が収入につながる | 好きなカードを扱いながら副収入を得られるのが魅力 |
| 柔軟な販売スタイル | 自分のペースで在庫調整や価格変更が可能 |
とくに、もともとカードを集めていた人にとっては「整理+収入」という2つのメリットを同時に得られる手段として人気があります。
デメリット:信頼性や法律リスクへの対応が必要
一方で、個人で行う場合ならではの注意点もあります。
| デメリット | 説明 |
|---|---|
| 法律の知識が必要 | 古物商や景品表示法など、複数の法規制を守る必要がある |
| 信頼の構築が難しい | 個人販売では最初は信用を得にくく、評価が重要 |
| トラブル対応の負担 | クレーム対応・発送ミス・返品交渉など、すべて自己責任 |
| 利益率が低くなりがち | 手数料や送料を考慮すると、利益が出にくいこともある |
「気軽に始められるが、気軽に済ませてはいけない」――それがオリパ販売のリアルです。長く続けるには、誠実な運営と計画的な販売が欠かせません。
まとめ
個人でもオリパ販売は十分に可能ですが、単なるフリマ出品とは違い、法的な手続きや信頼構築、トラブル対応など多くのポイントを押さえる必要があります。
この記事で紹介したように、始める前には以下のステップを確認しておきましょう:
- 中古カードを使うなら古物商許可を取得
- 景品表示法や販売ルールに則った表示・運営を行う
- 利益が出る可能性があるなら、税務申告も視野に入れる
- 誠実な販売を心がけ、評価と信頼をコツコツ積み上げる
とくに、カードゲームやコレクションが好きな人にとって、オリパ販売は“好き”を活かして収益を得られる貴重な手段です。ですが、「ただ売る」だけではなく、買い手の立場を考えた設計と運営が成功の鍵になります。



まずは小さく始めて、経験を積みながら、自分だけの販売スタイルを確立していきましょう。








